広島と長崎の原爆で約１万３千人が「黒い雨」に遭ったと回答した調査資料を放射能影響研究所（放影研、広島市南区）が保管していることが判明した問題で、日本共産党広島県委員会（村上昭二委員長）は16日、放影研に調査資料の全面公開と行政への提供を求めて申し入れました。

　村上委員長、皆川けいし衆院広島１区候補（比例重複）、中原洋美、近松里子の両広島市議が放影研を訪れ、寺本隆信常務執行理事に申し入れ書を提出。寺本氏は「隠してきたことはないので誤解のないようにしてほしい」と説明しました。
　村上委員長は「このデータをもとにした報告書では『黒い雨を浴びたことで被爆後の急性症状が高率で認められた』としており、これまで国がとってきた『黒い雨による人体影響はない』とする立場を覆す貴重なデータといえる」と質問。寺本氏は「来週にも記者会見をしようと検討しているので、詳細はその機会に譲りたい」と答えました。
　村上委員長、皆川候補は同日、県と広島市にも、それぞれ放影研に対して調査資料の提供を求めるよう申し入れました。